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先天性疾患『先天性結腸閉鎖症』の娘について②【手術後〜現在まで】

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こんにちは!コアラです(@chaki2_koala)

前回の話の続きです。

前回の記事はこちら↓

先天性疾患『先天性結腸閉鎖症』の娘について①【誕生〜手術まで】先天性結腸閉鎖症の娘について【誕生〜手術まで】まとめています。 病気発覚からの娘の経過と私の気持ちを綴っています。...

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先天性結腸閉鎖手術後の経過

術後はこのような感じで経過していきました。

  • 【術後3日目】鼻からのチューブが抜け、ブドウ糖を10ml口から飲む練習。吐き戻しが無ければ夕方からミルクを10ml飲む練習。
  • 【術後4日目】朝から黄疸が強く出ていて光線治療実施。ミルクの吐き戻しも無く、口から20ml飲める。
  • 【術後9日目】保育器から出る。先日の黄疸の光線治療も1日で終了。ミルクは40ml飲めるようになった。
  • 【術後11日目】たくさんの管が取れて、栄養を入れるための点滴1本だけになる。ミルクは飲みムラがあり20ml~40mlを飲んでいる。吐き戻しはない。初めて娘を抱っこすることができた。
  • 【術後16日目】ミルクは30ml~50ml飲めている。初めて娘のオムツを交換する。
  • 【術後23日目】栄養を送っていた点滴が抜ける。これで人工肛門以外の管は全て無くなった。ミルクは70ml~85ml飲めている。きちんとした泣き声を初めて聞いた。嬉しかったけど、なぜか泣きにくそうな、苦しそうな・・よくわからないが違和感を感じた

NICUは面会制限(両親のみ)と面会時間が決まっています。

そして大学病院は、家からクルマで1時間半かかる場所にありました。

会いに行ける日は全て会いに行きましたが、NICUに長女は一緒に入れないので、どうしても行ける日が限られてしまいます。

毎日会いに行きたいのに、行けないことが悔しくて悔しくて仕方ありませんでした。

病院からの悪い知らせ

そして、術後27日目夜に大学病院から電話がありました。

大学病院の先生

良いお知らせと悪いお知らせがあります。

良いお知らせは、人工肛門部分の腸の腫れがだいぶ引いてきたので、予定より早く人工肛門閉鎖の手術を行えそうです。

悪い知らせは、経過観察のためのレントゲンを撮ると小腸の拡張が見られました。

少しの間様子を見ていましたが、今日から嘔吐や腹部膨満を伴うようになってきたので、やはりどこかの部分で異常が起こっていると思います。

3日後再度開腹手術をしますが、また今回もお腹を開けてみないとはっきり原因がわかりません。

もしかしたら、今回は腸の切断もありえます。

どうして・・4日前はあんなにミルクも飲んで元気にしていたのに・・

またお腹を開けてみないとわからないなんて・・

順調に回復しているように見えていただけに、とてもショックでした。

そして同時に、最後に会った時に感じた泣き方の違和感を思い出しました。

あぁ、娘は”苦しい”と私に訴えていたんだ・・。

母親の勘は当たるっていうのに・・。

そう思うときちんと気付いてあげれなかった自分に腹が立ちました。

ファミリー面会 長女と初対面

そして3日後の手術の前に、1日だけNICUに長女と祖父母も入れるファミリー面会の時間を病院側が作ってくれました。

生まれてきて1ヶ月後ようやく長女と祖父母と初対面です。

NICUに入ると次女は起きて私たちを待っていてくれました。

長女は少し緊張していましたが、次女を見て

長女

かわいい! 小さいねぇ! 

ねえねだよ〜。わかるかな?

と恐る恐る触っていました。

そして長女が次女に歌をうたってあげると、次女が反応しました。

そうだよね、10ヶ月間お腹の中でこの歌聞いてたもんね。

本来なら生まれてきてすぐ目にできた光景です。

そう思うと、やはり健康に産んであげられなかったことが本当につらかったです。

長女も次女はなぜ生まれたのに家に帰ってこないのかを、小さいながらに一所懸命理解しようとしてくれました。

生まれたのに会えなかった1ヶ月間は、『まだ赤ちゃんお腹の中にいるの?』と聞いてくることもありましたが、ようやく今日会えたことで、”本当に生まれたんだ”と理解したようでした。

2度目の開腹手術

今回の手術は1時間半の予定。

前回の手術よりは早く終わることに安堵していましたが、やはり娘を手術室に送り出す時は、胸が締め付けられる思いでした。

そして、夫と手術が終わるのを待っていました。

しかし3時間経っても、4時間経っても手術が終わりません。

あぁ、何かあったんだ・・思ったより状態が悪かったんだ・・

ドラマで見るように、もしかしたら手術中いきなり心拍停止になったとか・・

大丈夫なのかな・・

何かあったらどうしよう・・

どう考えても悪いことしか頭に浮かんできません。

不安で不安で地獄のような時間でした。

結局、手術は6時間かかりました。

手術から帰ってきた娘は、またたくさんの管に繋がれ、そして真っ白でした。

その後、先生からお話がありました。

執刀医の先生

回腸末端に(小腸から大腸に続く部分)膜様狭窄があり、それが原因で小腸が拡張していました。

なので膜様狭窄部切除と狭窄形成術を行いました。

前回の手術での癒着がひどく、それを剥がすのにかなり苦労し時間がかかりました。

人工肛門もまだ少し腫れが残っている状態でしたが、出来そうな範囲内だったので閉鎖をしました。

時間はかかりましたが、原因も分かって、小腸、大腸の切断も最小限でいける良い手術ができたと思っています。

私たちは心の底から安堵しました。

”緊張の糸が切れる”という言葉をとても実感した瞬間でした。

そして『娘は真っ白でしたが、大丈夫ですか?』

と夫が聞きました。

同じ違和感に気付いていたんだ・・私も聞こうと思っていたことです。

執刀医の先生

ヘモグロビンの数値は最低でも10g/dLないといけないのですが、

11g/dLでギリギリです。

手術後ということもあるので様子を見ますが、このまま数値が下がることがあれば輸血をします。

と先生から返答がありました。

そうか、それであんなに白かったんだ・・

心配ではありましたが、数値が良くなること、術後の感染症や合併症が起こらないことを祈るしかありませんでした。

2回目手術後の経過 必要になった輸血

【術後1日目】娘に会いに行くと、娘はすでに輸血をしていました。

ヘモグロビンの数値が今日は5g/dLまで減ってしまったそうです。

ここまで減ると体内のどこかで出血しているのでは無いかと、朝からレントゲンやMRIなどを撮ったようでした。

ただ原因がわからず、このまま輸血を続けて数値が上がってこなければ再度原因を探るための手術をするかもしれないと言われてしまいました。

昨日手術したばかりなのに・・あんなにも長い時間頑張ったのに、またなの??

先生たちが手を尽くしてくれていることは、頭では理解しているつもりですが、いつも原因がわからないモヤモヤ感と、手術日まで襲ってくる不安感と、手術中待っている間の憂鬱感とで私たちもかなり気持ちが疲弊していました。

再手術になるかもしれないという不安な気持ちを抱えたまま、この日私たちはNICUを後にしました。

術後の経過

お願いだから、何も起きませんように・・・

こんなに、毎日頑張っているのに・・

もうこれ以上、娘に痛くて苦しい思いをさせないで・・

何もしないで・・

そんなことをずっと考えていました。

その願いが届いたのか、その後はこのように進んでいきました。

  • 【術後2日目】ヘモグロビンの数値は8g/dL 今日も輸血。
  • 【術後3日目】ヘモグロビンの数値10.9g/dL  輸血ストップ
  • 【術後4日目】ヘモグロビンの数値13g/dL

結局原因はわかりませんでしたが、数値が上がって安定し始めたので、体内での出血は無いという判断になり再手術の話は無くなりました。

そして【術後8日目】にはミルクを口から30ml飲み、肛門から排便をしました。

こんな当たり前のことが、涙が出るほど嬉しかったのを今でも覚えています。

涙を滲ませて娘を見つめていると初めてニコッと笑ってくれました。

まるで『私はもう大丈夫だよ』と言ってくれているようで、その笑顔を見て泣いてしまいました。

NICUからGCUへ

そして術後15日目、娘はNICUからGCUへ移動しました。

GCUとはNICUで治療を受け、状態が安定した後に移り、退院にむけてのケアを受ける部屋

栄養を入れる点滴も抜け、ミルクを80mlほど飲めるようになりました。

娘に繋がれていた管は全て無くなり、普通に抱っこができるようになり、先生から2週間後には退院の許可が出ました。

退院後〜現在

次女が退院し、家族4人での生活がスタートしました。

次女は結局2ヶ月間入院をしました。

初めは半年ぐらいと言われていたので、かなり回復が早かったのだと思います。

しかしまだお腹は膨満している状態なので、

  • お腹に圧がかからないように生活しないといけない
  • 排便しやすいように薬を2種類毎日3回飲まないといけない
  • 普通の子と比べ腸閉塞になりやすいので、吐き戻しや排便が無い日が続く場合はすぐ病院へ行かないといけない

など気を付けること多くあり、一緒に生活していても心配なことがたくさんありました。

しかし心配事があっても、娘の顔を見れば自然と不安は消えていきます。

毎日顔を見れるということは、こんなにも気持ちが違うのだと実感しました。

1ヶ月に1度、定期検査も受けてきました。

経過が順調だったので1歳前で薬を卒業し、定期検査も3ヶ月に1度に変わりました。

現在の次女の様子

定期検診は半年に1度となっています。

最近は、長女よりもよく食べ、毎日元気に走り回っています。

お腹の膨満も全く無くなり、手術跡もだいぶ綺麗になってきました。

先天性結腸閉鎖、人工肛門の手術跡

傷は一生残ります。

娘が大きくなれば気にすることもあるでしょう。

それでもこの傷は、娘が命をかけて頑張った証です。

娘が大きくなって理解できるようになれば、『これは自慢の傷だよ』と伝えたいと思っています。

さいごに

娘は2ヶ月間NICUに入院し、2回手術をしたので医療費は1,000万近くになりました。

その金額も公的保険制度により限度額で済みました。

感謝しかありません。

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そして出産後すぐの体にも関わらず、大学病院まで行かせてくれた先生

妊娠中に『病気を見つけてあげられなくてごめんね』と謝りに来てくれた産婦人科の先生

泣いている私を気にして、毎日見に来てくれた看護師さんと助産師さん

手術をして、娘の命を助けてくれた大学病院の先生たち

2ヶ月間NICUで私の代わりに娘を育ててくれた看護師さんたち

本当にたくさんの方々に感謝しています。

次女が入院をしている間、病院へ行く度に寂しい思いをさせてしまった長女にも感謝しています。

家で搾乳中、両手が塞がり動けなくなるので、その間いつも一人で遊んでくれていました。

3歳ながらにたくさんのことを理解しようとしてくれた姿や、いつもそばで元気に笑ってくれる姿に何度救われたかわかりません。

夫にも感謝しています。

自分も同じように胸を痛めていたはずなのに、私が先に隣で泣いてしまうので、常に気丈に振る舞ってくれていました。

同じ気持ちでそばにいてくれる事は、本当に心強く、私の支えでした。

そして、1番はもちろん次女に感謝しています。

あんな小さな体で2回も大変な手術に耐えてくれました。

本当に強い子です。誇りに思います。

次女は他にもいくつか疾患を抱えています。

先天性結腸閉鎖症とは違い、治らないもので一生抱えて生きていきます。

そのことが発覚する度、なぜ健康に生んであげられなかったのか自分を責めました。

それでも、生まれてきてくれたことに感謝していますし、この先なにがあっても、私の可愛くて自慢の娘です。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

この記事が誰かの何かの役に立ち、少しでも参考になることを願って・・・

それではまた!

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