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先天性疾患『先天性結腸閉鎖症』の娘について①【誕生〜手術まで】

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こんにちは!コアラです(@chaki2_koala)

みなさんは先天性結腸閉鎖症という疾患をご存知ですか?

字のごとく、『生まれつき結腸(大腸)が閉鎖している疾患』です。

私は次女がこの疾患を持って生まれてくるまで知りませんでした。

先天性結腸閉鎖症は、約6万6千人に1人というかなり稀な疾患です。

出生後72時間以降に診断治療された症例の死亡率は約46%で、早期診断、早期治療を要します

                                                     その為、次女は生後たった3日目で開腹手術を受けています。

稀な疾患なので、調べても調べても論文が数件出てくるだけ。

論文は症例や術式の紹介だけで、1番知りたい予後の詳しい話などは書いてありません。

私も自分がブログを始めるとき、次女の疾患について書くか正直迷っていました。

わざわざ私の娘は疾患がありますという必要があるのか・・

次女のことをさらけ出すようでとても不安がありました。

しかしこの子はちゃんと生きていけるのか…と不安に押し潰されそうになりながら、なんとか持ち堪えていたあの日の私のような方がいるのであれば、少しでも役に立つのではないかと思い、やはり書くことに決めました。

もちろん腸の壊死具合閉鎖型によって予後は違うとは思いますが、少しでも何かの参考になれば幸いです。

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次女誕生〜疾患発覚まで

次女は分娩中一度心拍が下がりましたが、無事生まれてきてくれました。

その時の記事はこちら↓

経産婦なのに陣痛がこない!?2人目出産レポート二人目の出産レポートの記事です。初産との違いや経産婦だと強く感じる後陣痛についてまとめています。...

  • 在胎40週4日
  • 次女の出生体重は約3000g
  • 妊娠中、この疾患についての指摘はされていない
  • 羊水量:正常
  • 母体 :特に問題なし

出産後、分娩中に心拍が下がったこともありNICUに入り様子を見ていただいていると、

NICUの先生

コアラさんの赤ちゃんね、ミルクを全部吐き戻してしまうんです・・

吐き戻しは、新生児によく見られるからそれなら良いけど、もう少し様子を見ますね。

と先生から言われました。

そこから不安になり携帯で『新生児、吐き戻し』と調べると、そこにはいくつか病名が出てきました。

その日はそのことが気になり全く眠れませんでした。

疾患発覚

次の日の朝、先生がレントゲン写真をパソコンに映し出し部屋に入ってきました。

この瞬間とても嫌な予感がしました。

そしてこの嫌な予感は当たります。

そして先生も私が何かを察したことに気付いた様子で静かに話し出しました。

NICUの先生

夜中から胆汁を吐くようになって、レントゲンを撮ったらお腹の中が真っ白でした。

白く映っているのは全てガスです。

排便もしていないし、どこかが詰まっている可能性が高そうです。

おそらく胃、十二指腸、小腸のどこかで異常が起こっていると思います。

お腹を切って開けてみないと原因がわからないので緊急手術になると思います。

しかし、この病院では手術が出来ないので今から大学病院に救急車で搬送します。

旦那さんに連絡して大学病院に行ってもらうことはできますか?

頭が真っ白になりながらも、私は先生に1つだけ質問をしました。

『娘は・・死んでしまうのですか?』

その返答は、

『わかりません。お腹を開けない限り何の病気か分からないので…。』

というものでした。

救急車で大学病院へ搬送

泣きながらすぐ夫に電話をし、病院に来てもらいました。

私は出産した次の日だったので本当は安静にしていないといけませんでしたが、大学病院に夫と一緒に行きたいと申し出ました。

先生は悩んでいましたが、悪露がひどくなったり、少しでも体がしんどくなったら帰ってくることを固く約束することで、私のお願いを聞いてくれました。

後陣痛でお腹が痛い、裂けて塗ったお股も痛くて歩くことすらツライ。

でも生んだばかりの自分の子どもが、もしかしたら死んでしまうかもしれない・・。

もう会えなくなるかもしれない・・。

それなのに行かないと言う選択肢は私の中で1ミリもありませんでした。

救急車で搬送する前に娘の顔を見ましたが、保育器に入り、すでにたくさんの管に繋がれていて、目も閉じたまま・・・

その姿は弱々しく見ているのがツラくなるほどでした。

大学病院に向かっている最中、娘を乘せた救急車が後ろからやってきました。

私はなぜかその救急車を後ろから動画に収めました。

今思うとどうしてあんな行動をしたのかわかりません。

あの時は最後になるかも…と思ったのかもしれません。

大学病院到着

そして大学病院に着き再度検査等終わったときに、先生から手術の説明を受けました。

大学病院の先生

先天性小腸閉鎖の可能性が高いですが、わかりません。

やはり開腹手術が必要です。

今は体中のガス抜きをしているので明日手術を行います。

ここでもお腹を開けてみないと分からないと言われ、どういった手術を行うかもお腹を開けてみての判断になることを伝えられました。

結局何が原因かわからないまま、大量の手術書類にサインをしたあと娘に会いに行きました。

心配で心配でずっとそばにいたいと思いましたが、私にできることはありません。

私自身も入院している病院へ帰らないといけません。

『ごめんね』と娘に言い残し、この日はNICUを後にしました。

自分の入院先へ帰る

帰ってきてから一人で過ごす病室はかなり堪えました。

個室だったのが唯一の救いです。

廊下から聞こえる赤ちゃんの泣き声すら、聞いているだけで胸が苦しくなりました。

本当だったら生まれた娘を抱っこしているはず・・。

なぜ私の隣には赤ちゃんがいないのか・・。

なぜ・・なぜ私の子どもがこんなことに・・。

ツラくて、苦しくて涙が止まりませんでした。

私は妊娠中いろんなことに気を付けてきました。

タバコは吸わないし、お酒だって妊活中から辞めていたし、風疹の予防接種も受けたし、葉酸のサプリも飲んでいたし、生卵もお刺身も少しでも気になるものは全て我慢していました。

お腹の赤ちゃんに何かあってからじゃ遅い、そんな後悔したくないと思いお腹の中で守ってきたつもりです。

それなのにどうして・・・なぜ・・・

その日の夜もあまり眠れず、先天性小腸閉鎖症のお子さんたちのブログをいくつか読みました。

障害が残っている子、順調に回復している子、色んな子がいる・・。

読み進めていく中で、小腸の長さをどれだけ残せるかによって予後がかなり変わってくることも分かりました。

娘の小腸はどうだろう・・壊死している部分はどれぐらいあるのだろう・・

調べれば調べるほど、不安になり泣き続けました。

そして夜中、私の様子が心配で見に来てくださった看護師さんに『今日はもう休もう』と背中をさすっていただき、この日はようやく眠ることができました。

開腹手術当日〜疾患名決定『先天性結腸閉鎖』

この日も私の入院先から、夫と一緒に大学病院へ。

手術室に娘を送り出す際に『ごめんね、がんばってね』と声をかけました。

母親なのに何もしてあげられない、頑張ってとしか言えないことが本当につらい。

泣かないつもりでしたが、娘の姿が見えなくなった途端泣いてしまいました。

手術時間は3時間半。

とてつもなく長く感じました。

手術終了

手術が終わりNICUに帰ってきた娘は目を開けていました。

私はこの時生まれてきて初めて、娘がきちんと目を開けている姿を目にしたのです。

その瞬間、ちゃんと生きてると感じ泣き崩れました。

あの時の娘の顔は今でも鮮明に覚えています。

その後、執刀医の方からお話がありました。

  1. 先天性結腸閉鎖症
  2. 腸間膜間隙内ヘルニア
  3. 腸回転異常症

この3つが娘の中で起こっていたことでした。

それに対し

  1. Ledd手術
  2. ヘルニア内閉鎖術
  3. 虫垂切除
  4. 人工肛門造設

を行ったと話してくれました。

先天性結腸閉鎖症

執刀医

開腹手術をしてみると、小腸閉鎖では無く、かなり稀な結腸閉鎖でした。

閉鎖型は離断型だったので、おへその左下あたりに人工肛門を造設しました。

この人工肛門は一時的なもので、腸の腫れが引いてくれば再度手術をして閉鎖します。

とのことでした。

結腸がただ単に閉鎖しているだけならその閉鎖している部分を治してあげるだけで良いのですが、娘の場合結腸が完全に離断し繋がっていなかったのです。

手術中の結腸の写真を見せていただきましたが、繋がっていない結腸は片側だけ今にも破裂するのではないかというぐらいパンパンに腫れ上がっていました。

この腫れが引かない限り、繋ぎ合わせることができないので一時的に人工肛門にしたのです。

時間がかかっても人工肛門は閉鎖できると聞き、次はそのための手術なんだと思うと前を向くことができました。

そして幸いにも腸に壊死している部分は無く、そのままの残せたと聞いてとても安堵しました。

腸回転異常症

腸回転異常症とは、子宮内での発生過程において腸管が腹腔内の正常な位置に収納されなかった状態のことです。

娘は腸回転異常症のため、中腸の間膜を広げて捻転しないように小腸を右側、結腸を左側に配置するよう手術をしていただきました。

素人の私からしたら、通常ある位置に手術で戻して欲しかったのですが、うちの娘の場合通常ある位置に戻すと捻転してしまう恐れがあるためこの配置になったそうです。

なので、娘は今でも普通の子と腸の位置が違います。

大丈夫なのか・・と不安になる私たちに先生は

 執刀医

困ることは便秘でお腹が痛いときに、『の』の字でお腹をなでるのが効かないぐらいかな〜

と話してくれましたが、正直信じられませんでした。

腸の位置が普通の子と違うのに困るのはそれだけ?そんなわけない・・

その後小児科・小児外科の他の先生に聞いてみても同じ回答だったので安心しましたが、正直今でも本当に大丈夫なのか・・と思ってしまいます。

そして普通の腸の位置ではないので、虫垂炎になると発見が遅れ重症化する恐れがあるため、今回の手術で虫垂も切除しました。

術後〜1ヶ月

先生から術後

執刀医

まだすぐには飲めないけど、様子を見ながらミルクを始めるので母乳を持って来てください。

入院は再度手術もあるので半年ぐらいになると思います。

と言われました。

1つでも娘のためにできることが私にもある”ということがとても嬉しかったです。

この日の夜から毎日退院するまで搾乳し、母乳を届けることにしました。

搾乳をしている時間は虚しくなることもありましたが、あんな小さい体で毎日頑張っている娘のことを思うと自然と頑張ることができました。

そして半年間の入院・・

娘の新生児時代は一緒に過ごせない・・。

寂しく、悲しい気持ちでいっぱいになりましたが、元気になるために必要なことと割り切って日々淡々と過ごすことに決めました。

そして最初の手術からもう少しで1ヶ月という頃に大学病院から突然電話が入り、事態が急変します。

長くなったので今回はここで終わります。

次回は術後〜現在について書きたいと思います。

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